いかがお過ごしですか。ラジオ牧師の山下正雄です。今週は聖書の中から「富」について書かれた言葉を取り上げています。
新約聖書の中にあるほとんどの手紙を書いたパウロは、その手紙の中でこう言っています。
「全財産を貧しい人々のために使い尽くそうとも…、愛がなければ、わたしに何の益もない」
飢えで苦しんでいる人々や貧しい子供たちの姿をテレビで目にすると、自分が献げるわずかばかりのお金では、焼け石に水のような気持ちになってしまいます。「もっとお金があれば」と思うその時に、先ほどのパウロの言葉を思い出します。
愛がなければ全財産を施しても意味がないのです。しかし逆を言えば、どんなわずかな献げものでも、愛のあるところには豊かな実りがあるのです。大きな富を持っていなくても、わずかばかりの富に愛が伴えば大きな力となるのです。
今の日本が世界の中でどれほど豊かであるのか、あるいは逆にどれほど乏しいのか、人によって判断の基準も評価も違うかもしれません。しかし、豊かであっても貧しくても、愛を伴う富の使い方を一人一人が学ぶ大切さを思います。愛とは他者への関心です。富に目を向けるのではなく、周りの人々へ目を向けることで、今手にしている富をもっと豊かに用いる道が開けるのです。
きょうのみ言葉・・・「全財産を貧しい人々のために使い尽くそうとも…、愛がなければ、わたしに何の益もない。」コリントの信徒への手紙一 13章3節