いかがお過ごしですか。新浦安教会の芦田高之です。
わたしたちはいろいろなときに涙を流します。悲しいときに流す涙もあれば、嬉しい時に流す涙もあります。情けない気持ちで流す涙もあれば、怒りや悔しさで流す涙もあります。赤ちゃんの涙、大人の涙、いろいろな涙があり、そして、いろんな涙の味があります。
今回は、ハガルという女性とその子イシュマエルが流した涙のお話をします。
昔、アブラハムとその妻サラとの間に、神様が長年お約束なさっていた息子イサクが与えられました。実はその前に、アブラハムには妻サラの女奴隷ハガルとの間に生まれた息子、イシュマエルが居たのです。イサクが大きくなると、母親のサラは、腹違いのお兄さんイシュマエルの存在がイサクにとってとってもよくないと考えたのでしょうか。サラはイサクの腹違いの兄イシュマエルとその母ハガルとを家から追い出しました。
追い出され、手持ちの飲み物も食べ物もなくなったとき、母親のハガルは、息子が砂漠の中で、飢えと渇きで死ぬのを見るに忍びなくなって、泣きました。しかも、息子の死を見るのが辛くて、息子から何十メートルか離れた所で泣きました。そのとき、神はハガルに近づき、こうおっしゃいました。
「ハガルよ、どうしたのか。恐れることはない。立って行って、あの子を抱き上げ、お前の腕でしっかりと抱き締めてやりなさい」と。
複雑な人間関係の中、親子が生活苦で途方にくれている時も、神様は、その親子の苦しみ、泣き声に耳を傾けてくださる方です。