いかがおすごしですか。三川栄二です。
サン・テグジュペリの書いた『星の王子さま』の中で、きつねから「かんじんなことは目に見えないんだよ」ということを教えられた王子さまは、自分が愛し、水をかけ、風から守ってやった、たった一本の薔薇を思い出します。その薔薇は、無数に咲く中の一本というのではなく、王子さまにとってはかけがえのないたった一本の薔薇であったということを。
わたしたちも今回の大きな出来事を通して考えさせられました。見えるものに心を奪われていたときには見えなかったもの、家族の絆とか一人一人が自分にとってかけがえのない一人であるということをです。聖書は語ります。「見えるものに対する希望は希望ではありません。現に見ているものをだれがなお望むでしょうか」。その通りだと思います。
そしてさらにこう語ります。「患難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出す」(新改訳聖書ローマ5章3、4節)と。患難が希望を生み出すというのです。そして「この希望は失望に終わる」ことはないと約束されます。この希望こそ、いつまでも残るものです。目には見えない、しかし確かな希望に依り頼んで、今日を生きていきたいと思います。