熊田なみ子のほほえみトーク 2011年3月22日(火)放送

熊田 なみ子(スタッフ)

熊田 なみ子(スタッフ)

小さな朗読会139「金の子牛」
(「母と子の聖書旧約上」出エジプト記32-34章)

 神様はモーセに、天幕の教会、すなわち幕屋について指示を与えられました。ここで、イスラエルの民は、神様を礼拝しなければならないのです。イスラエルの民は、始終旅をするので、それは天幕でなければなりませんでした。木や石で造った教会は、旅する度に動かせません。

 アロンがこの幕屋の牧師すなわち祭司になるのでした。細かい注意をモーセに与えた後で、神様は、神の指で書かれた十戒の石碑を二つ、モーセに渡されました。モーセは40日40夜、山にいました。この間、何も食べていませんでしたが、神様が彼を支えておられました。

 この間中、イスラエルの民は何をしていたのでしょう。彼らは、モーセが降りてくるまで麓で待っていましたが、なかなか戻ってきません。とうとう、モーセがどうかなってしまった、と彼らは思いました。もう二度とモーセは帰ってこないかもしれないと。モーセを守り、無事に戻らせてくださるようにと神様に祈るかわりに、彼らは自分たちを導くものが誰もなく、礼拝する神がいないと思ってしまいました。

 彼らは、アロンのところに来て、「モーセがどうなったかわからないから、旅を続けて導いてくれる偶像をつくってほしい」と頼みました。アロンが、「なに?偶像をつくる?とんでもない。それは大変な罪です。たった1ヶ月ほど前に、神様は天からあなたがたに語りかけて、偶像をつくって礼拝してはいけないと言われました。あなたがたが偶像をつくって礼拝したら、神様は大変お怒りになります」と言ったと思うでしょう?
 アロンは実際にそう言ったのでしょうか?いいえ。そう言うのが本当だったのです。しかし、彼の言ったことは「みな、自分の金の耳輪をはずして持ってくれば、金の偶像をつくってあげる」ということでした。イスラエルの民は、飾り物を好み、たくさん持っていました。男も女も、小さい男の子や女の子まで、美しい指輪、耳輪、腕輪などをつけていました。彼らは自分たちの金の耳輪をはずし、アロンのところに持ってきました。彼はそれをとかして、金の子牛をつくりました。それからイスラエルの民に、「イスラエル人よ、これはあなたがたをエジプトの国から導きのぼったあなたがたの神である」と言いました。アロンは、金の子牛をつくることで罪を犯しました。ところが彼は、このほかに子牛の前に祭壇を作って、「明日は主の祭りである。」と宣言したのです。翌日、民は皆早く起き、牛や羊を連れてきて、それを殺し、祭壇の上でそれを焼きました。それから大宴会を開きました。彼らは飲んだり食べたりして、踊り歌い楽しみ始めました。

 その頃、どこでも偶像の礼拝がなされていました。人々は、目に見える神がなければならないと思いました。神を見たことがないので、彼らは自分の考えに従っていろいろな形をつくり、それを神と呼びました。偉大な神様を、何かの形であらわすことは、とうていできないことくらい、私たちは良く知っています。イエス様も、神様は霊であって、体を持たないと言われました。だれも神様を見た人はいません。神様は、あまりに偉大なので、生きて神様を見るということは出来ないのです。子牛を礼拝することで、イスラエルの民は、神様に逆らっていました。彼らはそのことを知っていました。たった1ヶ月前に、偶像をつくったり、礼拝してはいけないと言われたばかりです。神様は、いつでもあらゆることをご覧になっているので、イスラエルの民のしていることを見て知っておられました。

 モーセは、山に濃い雲がかかっていたので、金の牛も、民の飲み食いしていることも知りませんでした。主はモーセに、山から降りるように言われました。モーセがエジプトから連れ出した民が、悪いことをしている、と神様は告げられました。彼らは主の命令に背きました。彼らは、とかした金からつくった子牛を礼拝し、「イスラエル人よ、これはあなたをエジプトの地から導きのぼったあなたの神である」と言っていました。神様は、イスラエルの人の不従順を見て、大そう怒られました。そして、神様はモーセに、彼らをみな滅ぼして、モーセとその子供たちから新しい国を始める、と言われました。

 これを聞いてモーセは心配しました。そして、「主よ、どうかあなたの激しい怒りをやめてください。もしあなたがこれらの民を殺されたら、エジプト人はあなたが民を山で殺すためにエジプトから連れ出したと言うでしょう。アブラハム、イサク、イスラエルを覚えてください。あなたが彼らに、その子孫を増して天の星のようにすると約束されたことを覚えてください。カナン全土を彼らに与えると約束されたことを覚え、主よ、思い出してください」と祈りました。こうしてモーセが熱心にイスラエルの民を滅ぼさないようにと願ったので、主はその激しい怒りを留められました。

 モーセは山を降りて行きました。彼は2枚の石碑を手に持って行きました。この石碑の両面に字が記されていました。神様はこの石碑をつくり、それに十戒を記されたのでした。

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