いかがお過ごしでしょうか、国立聖書教会の野島邦夫です。
今日は、聖書を開いて少しは読んだことがあるけれど、読み方がよくわからないと言われる方々のためにお話ししましょう。
大切なことは、一言一文だけ読むのではなく「文脈で読む」ことです。そうしませんと意味を読み誤ります。
こんな笑い話があります。朝起きるとまず、目を閉じて聖書を開き、最初に目に入ったことばをその日の心の糧にしている人がいました。ある日、いつものようにして、最初に目に入ったことばは「愚かな者よ、今夜、お前の命は取り上げられる。」ルカによる福音書12章20節。これはマズイと思って、慌ててもう一度開きなおすと、目に入った言葉が、「サタンよ、引き下がれ。」マタイによる福音書16章23節。これでは救いがありませんね。
昨日引用した聖書の三つのことばのひとつ「目には目を、歯には歯を」旧約聖書出エジプト記21章24節も、文脈を離れて独り歩きしています。「目をつぶされたら相手の目をつぶせ」という様に。ここから、キリスト教は報復の宗教だという誤解が生まれます。しかし聖書を開くとこう書いてあります。「(誰かの)目をつぶしたら(自分の)目をもって償え」。キリスト教は償いの宗教です。
さあ、心に響く一言があったら、それを含む一段落を通して読んでみましょう。