いかがお過ごしでしょうか、国立聖書教会の野島邦夫です。
今週は、「人間は天使か悪魔か?」という問いに答えるかたちで、私たちの心について考えています。 今日はもう一方の極端「人間は天使か」について考えます。
「私の心は天使の様です」という人はいなくても、「この世界は悪など無く天使の世界です」と言う人もいなくても、日常生活の中で人間の心のキラッと光るもの、いわば「人間の天使性の一瞬の閃き」を見ることはあります。
例えば、猛吹雪の夜、幼い娘を守ろうと自分の服を着せて上から覆いかぶさったまま凍死したお父さん。踏切の中で倒れて動けない見ず知らずの年配者を助けて、自分は電車に轢かれて亡くなった女性。
これらを決して小さな美談にすぎないと見なしてはなりません。とっさの、「自分より相手が大切だ」という思い…。もしこれが人間の心の本質だとしたら、それを育めば、インドで「見捨てられた人々」のために生涯尽くしたマザー・テレサのように、大切な自分の生涯を、困っている人々のために費やす人に、誰もがなる可能性があります。天使の世界になるかもしれません。
しかし、現実の世界は悲惨と悪が満ちているようにどうしても見えます。自分の心の中にも善いものがあるといっても、悪いものもあるように見えます。
「そんなものだよ、世の中は、人間は」と結論付けてしまっていいのでしょうか。
もう少し考えていきましょう。