いかがお過ごしでしょうか。東京練馬の光が丘キリスト教会で牧師をしております、尾崎純と申します。
キリストが逮捕され、尋問を受けるために連行されていった場所に、弟子のペトロは忍び込みました。ペトロは、その場にいた人たちから、「あなたはキリストの弟子ではないのか。」と問われ、それを3度も繰り返して否定してしまいます。
ペトロが3度目に自分がキリストの弟子であることを否定した時、鶏が泣きました。キリストは振り向いてペトロを見つめました。ペトロは、キリストから「今日、鶏が鳴く前に、あなたは3度わたしを知らないと言うだろう。」と言われていたことを思い出しました。そして外に出て、激しく泣きました。
この時、ペトロを見つめたキリストのまなざしはどのようなものだったでしょうか。ペトロは激しく泣きましたけれども、それは、キリストのまなざしが責めるようなまなざしだったからでしょうか。キリストはペトロに、前もってこうも言っていました。「わたしはあなたのために信仰がなくならないように祈った。」そのキリストが、ペトロを責めるということはありません。ペトロはキリストのまなざしに、こんな自分のために祈ってくださるキリストの慈しみを見たはずです。
キリストは何も言わずに、ただ、ペトロを慈しみのまなざしの中に置いてくださったのです。弟子であることを自ら否定した弟子を、それでもなお、ただ、慈しみのまなざしの中に受け入れてくださったのです。