ご機嫌いかがですか。牧師の豊川修司です。
今週は、マタイによる福音書から主イエスの御言葉の特徴を見たいと思います。今回は「医者を必要とするのは病人である」と語られた主イエスの御言葉です。
わたしたちは、自分の考えは正しく相手の考えは間違っていると、よく主張します。主イエスの時代もそうでした。ファリサイ派と呼ばれる人たちは、自分達は神の前で正しい人間で、善い事を行う人間だと考え、税金を徴収する人や罪人を毛嫌いしていたのです。彼らは主イエスの弟子たちに「なぜ、あなたたちの先生は徴税人や罪人と一緒に食事をするのか。」と批判しました。
そこで、主イエスはマタイによる福音書9章12、13節で次のように語ります。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。『わたしが求めるのは憐れみであって、いけにえではない』とはどういう意味か、行って学びなさい。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
この言葉は、主イエスの宣教の目的を示しています。病人とは身体的な病気ではなく、自分の罪を自覚し、悲しんでいる人たちを譬えています。ローマの信徒への手紙3章10節には「正しい者はいない。一人もいない。」とあります。
主イエスは、自分は正しいと主張する人のためではなく、罪を認める人のための魂の医者なのです。