小さいころ、ぼくは伯父さんの農場で夏休みを過ごしました。たくさんの鶏がいて、走り回っていました。
最近の鶏はそんなことはしません。狭いところに閉じ込められているからです。昔は、どこを歩いても鶏に出会ったものです。
チッチッチ ほら チッチッチ あっちも こっちも どこでも チッチ
当然、鶏のことをたくさん知ることができました。例えば、身分の高い鶏がいるってことです。身分の高い鶏は身分の低い鶏のことをつつくのですが、身分の低い鶏は身分の高い鶏をつついてはいけないようでした。「格付け」と呼ばれる順序があるということがわかりました。
格付けのいちばん上は、鶏ナンバーワンです。鶏ナンバーワンは、他のどの鶏のこともつつくことができます。でも、他の鶏たちは鶏ナンバーワンをつついてはいけません。鶏ナンバーワンのすぐ下には鶏ナンバーツーがいます。鶏ナンバーツーは、鶏ナンバーワン以外のどの鶏のこともつつくことができます。でも、他の鶏たちはナンバーツーをつついてはいけません。鶏ナンバーワン以外はね。
そんな感じでいちばん下の格付けまで続きます。格付けのいちばん下の鶏は、みんなにつつかれますが、他のだれのこともつつけない鶏です。このかわいそうな鶏には羽根がほとんどなくなってしまっていて、身体じゅうに血の出た傷がたくさんできていました。
この鶏たちのように、人間の男の子や女の子たちにも格付けがあると思います。
格付けのいちばん上には男子ナンバーワンがいます。彼は学校にいるいじめっ子です。自分より小さい子や弱い子みんなをこわがらせます。みんなの悪口を言いますが、ほかのだれも彼の悪口を言ってはいけないのです。
女子ナンバーワンもいますね。みんなの服や髪型なんかをバカにして悪口を言いますが、彼女の服や髪型のことは悪口を言ってはいけないのです。
男子ナンバーワンや女子ナンバーワンのすぐ下には男子ナンバーツーや女子ナンバーツーがいて、いちばん下の、お友だちがだれもいない子のところまで続くのです。
人間の男の子や女の子たちがつっつき鶏のようなことをすることは、とても悲しいことです。でも、クリスチャンの男の子や女の子たちがつっつき鶏のようなことをすることは、もっともっと悲しいことです。クリスチャンであるということは、イエス様のようなことをするってことです。イエス様はいつも、格付けのいちばん下の人の味方でいてくださいます。イエス様はいつも、いちばん下の人とも友だちでいてくださるのです。
だから私たちもそうすべきですよね。そう思いませんか。(訳:木川美来)