いかがお過ごしでしょうか。国立聖書教会の野島邦夫です。
今回はシリーズで「欺き」を考えて来ました。欺きとは「いかにも本当らしく見せかけて、聞く相手・見る相手・接する相手に、本当ではないのに本当だと思わせる」ことです。
私たちは、知りつつまた知らずに、誰かをまた自分を、そして神さえ欺こうとします。それは、自分が正しくないのに、称賛に値しないのに、それに何となく気づいていながらも良く見られたいという欲望から生まれます。ですから二重の意味で咎められるべきです、第一に実際は正しくないから、第二は正しくないのに正しいと見せかけるからです。この様な現実の人間の世界は全くの虚偽でしょうか。
実際の姿をそのまま見せる人はいないのでしょうか。ただ、人が醜い現実の姿をそのまま見せては、そこは地獄になります。実際正しくて、それを隠さず見せて貫く…これが真の意味の「誠実さ」ですが、そのような人はいないのでしょうか。そのようなお方が共にいて下さる所はないのでしょうか。
「その口には偽りはなかった」と聖書に記されるイエス・キリストを思う時、私はそこに天国を感じます。その口から出た言葉は「来なさい。私はあなたを受け入れて、偽りから清める」です。天国とは、死後の永遠の世界のことではなくて、このキリストがいま共にいて下さることです。