キリストへの時間 2024年8月18日(日)放送

石川亮(芸陽教会牧師)

石川亮(芸陽教会牧師)

メッセージ: わたしの人生にかかわる神

【高知放送】
     

【南海放送】
     

 おはようございます。高知県安芸市本町二丁目、森澤病院裏手にある芸陽教会牧師、石川亮です。
 今週も、この放送をお聞きくださるあなたと共に、御言葉の恵みにあずかることができることを嬉しく思います。

 皆さんは、「アルプスの少女ハイジ」を知っているでしょうか。スイス人作家のヨハンナ・シュピリが書いた児童文学小説です。日本ではアニメになっているので、知っている方も多いと思います。原作小説では、キリスト教の話が多く出てきますが、アニメは、そのあたりが薄められています。

 私が強く印象に残っているのが、病気のために立つことのできない少女クララです。クララは、ある病気のために歩くことができず、車いすで生活をしていました。ここは、原作とアニメは共通していますが、原作において、ハイジと仲良くするクララに嫉妬したペーターは、彼女の車いすを谷間に落として壊してしまいます。

 なぜ彼がそのようにしたのか。それは、車いすが壊れることで、クララが元いた場所へと帰っていくと考えたからです。しかし、彼が考えていたこととは異なり、車いすが壊れたことで、クララは、歩く練習をはじめ、歩くことができるようになります。ペーターが、クララの車いすを壊したことは悪いことです。しかしそれをきっかけに、クララは歩くための練習をはじめ、実際に歩くことができるようになったのも確かです。つまり、悪いことが良いことに変えられた、ということになります。

 聖書の中にも、悪いことが良いことへと変えられた物語があります。それは、旧約聖書に出てくる「ヨセフ」のことです(創世記37章、39-45章参照)。彼は、ヤコブの息子で、父親から可愛がられたゆえに兄たちの嫉妬を買い、兄たちから憎まれてしまいます。

 ある日、羊の群れの無事を確かめて欲しいと、父親のヤコブから頼まれ、彼は、兄たちのところへ向かいます。ヨセフの姿を見た兄たちは、弟を殺そうと企みます。ただ兄の一人ルベンが、弟を助けるために、穴に投げ入れることを提案します。他の兄たちもそれに同意し、ヨセフは穴に落とされるのです。兄のルベンは後で助けようと考えていたのですが、食事をしている間に、ミディアン人の商人たちがヨセフを助け出し、イシュマエル人に売り渡し、イシュマエル人は、彼をエジプトへと連れていってしまうのです。

 ヨセフは、宮廷役人で侍従長のポティファルに買い取られます。しかし、神がヨセフと共におられ、物事を上手くいくように計らい、彼はエジプトの宮廷の責任者となります。宮廷の責任者となったヨセフは、飢饉に襲われたヤコブ親子を救います。そしてヨセフは、自身を殺そうとした兄たちを許し、父親ヤコブと兄弟たち、そして一族をエジプトへと招き寄せるのです。

 この物語は、兄たちの、ヨセフに対する殺意が発端となるのですが、最終的に、ヨセフが宮廷の責任者となり、父親や兄たち、一族を飢饉から救うというハッピーエンドを迎えます。ただ、このような結末を迎えることができたのは、神がヨセフと共にいて、物事を上手くいくように取り計らってくださったからであり、ヨセフもまた、神を信じて歩んだからです。

 ヨセフには、様々な困難が降りかかりました。それは、無意味なものではありませんでした。飢饉の時、自分の前に兄たちが現れたのを見た彼は、自分に降りかかった困難はこのためであったかと思ったはずです。

 人は、神を知らずに困難にあうと、他の人の責任にしたり、世を憂いたりします。しかし、神を知るものは、自分の困難は、神の救いのご計画の一端を担っていることに気付かされます。だからこそ、イエスを信じる者は、たとえ困難にあっても、前を向いて前進していくことができるのです。是非、ラジオを聞くあなたが、イエスと出会うことを心から願っています。



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